ご無沙汰しております。
また、長い間 放ったらかしにしていたもので、ブログの書き方も忘れてかけている様子(^^;)
あちこち戸惑いつつ、久しぶりの更新です。
なかなか時間がとれなかったりで、このところリアルタイムでドラマを見ることは少なくなっていましたが、久しぶりにインターネットの直播(生中継)にかじりつきました、『蘭陵王』。
中国大陸でも、大陸から少し遅れて放送が始まった台湾でも、とにかく驚くほどの大人気になったこのドラマ。
既に放送権が買われている模様なので、日本でもそう遠くないうちに放送されそうですね。
この作品は、実はキャスティングが発表された段階で、放送されるのがとても楽しみだったものでした。
台湾の、いや、中華圏の女優さんで一番のお気に入り、林依晨(アリエル・リン)が女主角(女性主人公)の楊雪舞役を務めるとあっては見ないわけにいられません。
考えてみれば、彼女の作品はほぼ全て、見てる気がしないでもない…。
常に理由は「林依晨が出るから」(笑)
今回は、彼女に加え、昔からの大のお気に入り東東こと陳曉東(ダニエル・チャン/ 香港)が北周武帝・宇文邕役で出演、そしてこちらもお気に入りの胡宇威(ジョージ・フー/ 台湾)が蘭陵王の弟、安德王役で出演、ということで否応なく期待が高まりました。
蘭陵王は雅楽の演目にあったりすることもあり、またその美貌ゆえに仮面をつけて戦場に立ったというエピソード、最後にはその人望の厚さ故に従兄弟にあたる北齊皇帝 後主・高緯に疎まれ毒を賜ったという悲劇に彩られた人生も手伝い、もともと中国史の中でも興味津々の人物でもありました(とはいえ、彼に関するエピソードは、史実というより伝説に近いものも多いのでしょうが)。
そんなこんなで、頭の中には華やかな美貌の持ち主のイメージがすっかり出来上がっていたわけです(笑)。
ですので『蘭陵王』のドラマ化にあたり、一番気になったのは、当然、蘭陵王・高長恭を誰が演じるか。
わくわくしながら発表されたキャストを見ると、蘭陵王は大陸の役者さん・馮紹峰(ウィリアム・フォン)が演じるというではありませんか。
馮紹峰は『宮』などいくつかのドラマで既にしっかり知っている顔。
演技力は確かだと思うし、二枚目だといえばそうだけど、でも「美しさ」が求められるはずの蘭陵王のイメージじゃない…、と発表時には東東と替わってくれればいいのに、とも思いました。
放送が始まるまで、とにかく「どうなの、馮紹峰の高長恭?」と大きな疑問符が付いたまま。
ただ、これまでの経験上、林依晨と共演すると、必ず男主角(男性主人公)が非常に魅力的に見えて、演じた役者さんに対する印象や好感度も急上昇するのが常。
今回も、もしかすると馮紹峰、化けるかも…、いえ、化けてくれるといいな、とは思っていました。
放送が始まってすぐは、忙しく見ることができなくて、少し遅れての視聴開始。
大陸でのドラマ放送ではよくあるパターンですが、月曜から金曜までは毎日3話ずつ、そして土曜と日曜は2話ずつが連続して放送されていました、このドラマ。
私が見始めた時には、多分、12話くらいまで放送されていたのかな。
それを2日くらいで一気見(^^;)
以降は時間の許す限り、放送時間にMacの前に待機して、リアルタイム視聴。
最終回が放送された8月30日は、放送時間までに帰宅できなかったので、翌日見ることになりましたが、とにかく見始めたら止まらない。
「面白いですか?」と訊かれたら、どう答えたらいいのかわからないストーリー展開ではありますが、それでも最後まで見続けさせるパワーを持った作品でした。
詳細は またおいおいアップするとして…。
まず言いたいのは、「馮紹峰、疑ってごめんね〜」(^^;)
いやぁ、いいです、彼の四爺!(蘭陵王・高長恭は北齊 武成帝・高湛の長兄 高澄の四男なので「四爺」と呼ばれることが多いのです)。
充分すぎるくらい美しくて、とてもチャーミングで、素敵でした。
日本でこの作品の放送が始まったら、間違いなく馮紹峰、大人気になることかと。
“四爺”といえば、日本でもヒットした『步步驚心』(『宮廷女官 若曦』)の大ヒットで、吳奇隆の代名詞と言ってもいい感じではあるんですが、私にとっては既に “四爺”=馮紹峰(ちなみに、宇威の安德王は五男なので五爺)。
そして、やはり林依晨がいい!
もともと演技力には定評のある彼女ですが、今回はこれまで以上に迫力を感じました。
前半はいつもの林依晨だったのですが、後半、お話が進むにつれて、そこに間違いなく楊雪舞という女性が息づいているのが感じられるほどで。
やっぱり彼女の作品は見る価値がある、と感じた次第。
初登場のこの瞬間、もう雪舞に魅せられてしまいました(^^)。
それから「中國好男人」の称号(?)を手にした宇文邕こと東東。
もしかすると四爺よりも人気があるのかも。
雪舞のために差し出したものが最も多く、得たものは最も少ない、なんて言われたりしていましたが、彼女に対する献身ぶりは確かに四爺以上のものがありました。
狡猾で冷酷な権力者の一面を見せつつも、兄の娘である貞兒に向ける目はとても優しく、温かく、そういう複雑さがとても魅力的でした。
東東はどちらかというと、明るくて優しい役柄が多かったような気がしますが、こういう霸氣溢れる男性的な役柄も似合う年齢になったのね…なんて、長く彼を見ている者としては妙に感慨深いものもあったりして(^^;)
胡宇威も、眉間に皺を寄せがちな役柄が意外と多い彼には珍しい、陽気で明るく、悪ふざけも好きな弟分、でもいざとなるととても頼りになる安德王を好演。
そしてこのドラマでは新たな出逢いも^^
「古裝版“李大仁”」「男閨蜜」こと韓曉冬を演じた魏千翔がとてもいい。
宇文邕と同じように、常に雪舞の傍にいて、彼女の味方で居続け、見返りを求めることなく、彼女に愛情を注ぐ韓曉冬の姿は、まさしく古裝版“李大仁”。
曉冬(xiao dong しゃおどん)と東東こと曉東(xiao dong しゃおどん)は発音がまったく同じなので、撮影現場では混乱したとかしないとか(笑)
彼らの演じたキャラクターの造型と演技力、反派(悪役)を演じた皆さんの魅力、そして何より物語がしっかりした力を持っていたことがこの大成功の理由だったのかな、と。
とにかく久々にあちこちでお薦めしてしまった作品でした。
日本放送は楽しみではありますが、気になるのはまず邦題。
「イタズラな◯◯」になったら、どうしましょう( ・_・;)
さすがに古装ドラマですから、それはないでしょうが…。
原題のまま『蘭陵王(らんりょうおう)』になる可能性が高いのかな(中国語だと「らんりんわん lan ling wang」)。
雅楽でもその名前ですしね。
台詞の日本語訳にも不安が無きにしも非ず。
吹き替えもですが、字幕でも、とにかく台詞の日本語訳に馴染めないことが多く、実は日本で放送されていても殆ど見ることはない台湾&大陸ドラマ。
先日、青空文庫で読んでいた三木清の『如何に読書すべきか』という著書の中に、「原書の有する微妙な味、繊細な感覚は飜訳によって伝えられることが不可能である。そのうえ飜訳はすでに解釈であるということを知らねばならぬ。ひとは原語で読む困難を避けてはならない。」とあるのですが、台詞についても同じなんでしょうね。
珍しく『勝女的代價(『シンデレラの法則』でしたっけ、邦題。この邦題も何だかなぁ…)』は日本での放送を見ていたのですが、これも現地放送時に見ていた時ほど面白いと感じないし、登場人物、特に女主角である曉潔の魅力が目減りしてる気が…。
その原因の1つに日本語訳された台詞がある気がしないでもない。
文章ならまだしも、台詞の翻訳が難しいのはとてもよくわかります。
ですから仕方ない部分も多いとは思うのですが、脚本家さんが心を砕いて書き上げて、役者さんが思いを込めて語った台詞ですし、日本語訳の時にももう少し心を配って欲しいと思ってしまう訳し方に遭遇することも多くて、それがとても残念。
今回は古装でもあり、独特の言い回しなど、どう訳されるのか、ちと不安が…。
一人称についても、四爺は自分のことを「我」以外に、「本王」とか「在下」とか言ってみたり、皇帝の前では「臣」ですし…。
雪舞には「四爺」、五爺には「四哥」、姥姥(皇太后)には「肅兒」なんて言ってたりすることもあって、それぞれでやっぱり微妙にニュアンスが違う気がするんですよね。
このあたり、どうやって訳されるんだろう…と。
翻訳家さん、ご苦労されるんでしょうね。