『神話』31〜40話

蒙恬の強引な方法により、戦場に向かわざるを得なくなった小川。
 
この頃から、ストーリーは、徐々に悲劇的な様相を強めていきます。
ですが、まだこのあたり、ストーリーの進み方はゆっくりで、さまざまな出来事が丁寧に描かれていきますね。
 
 
またしても、以下、ものすご〜く長いです(^^ゞ。
21〜30話までの時よりも、まだ長いです(文字数はとうとう10,000超え / 汗)
どうすれば短くまとめられるんでしょう・・・。
 
ということで、前回同様、ネタバレOKかつ、長くても平気という方は以下をどうぞ。
 
 
 

 
 
 
蒙家軍の一員として戦場に赴く易小川。

蒙家軍の出陣に立ち会った趙高は、自分たちは彼らの敵にもなり得ないと蒙家軍の存在に震撼します。
蒙家軍と蒙恬は戦場においても、向かうところ敵なし。
趙高は、自らの野望のためには蒙家軍が非常に厄介な存在であることを再認識します。
 
蒙恬がいなければ、彼らは烏合の衆だと言う李斯。
しかし、趙高は、状態が決して良くない中、それでも蒙恬がかつての威風を失っていないことに加え、今回の戦いで蒙家軍が勝利し、小川が高い地位を与えられるようなことになれば、舉賢堂を潰してしまうことは難しくなり、大変なことになると主張します。
そんなことにならないようにする最も確実な方法は、彼らを勝たせないことだと考える2人。
趙高は蒙家軍を罠にはめ、蒙恬と蒙家軍を一気に潰してしまおうと考えます。
 
一方、出陣した蒙恬たち。
結果的にそれが蒙恬の体内の毒のまわりを早めることになります。
咸陽に戻るように勧める小川と龐将軍ですが、蒙恬は聞き入れません。
兵たちの士気のためにも、そして狡猾な異民族を相手に闘うのに、彼ら2人では相手にならないことを怖れて、彼は戦場に残ろうとします。
兵たちに気づかれないように、こっそり咸陽に戻れば、という小川に蒙恬は返します。
 
「愚かなことを!
 男が国のために力を尽くすこともできず、
 それでたとえ100年生きられたとして何になる!」
 
 
北へと進軍する蒙家軍はある村を通りかかり、そこにいた数人の村人たちが、自分たち以外の村の者は全て異民族に連れ去られた、助けて欲しいと蒙恬たちに訴えます。
村人たちを連れ戻してやるという小川たちに、村人たちが道案内を買って出ます。
 
ですが、これが趙高の仕掛けた罠でした。
彼らは夜、見張りが眠った隙をつき、水桶を全て破壊。
蒙家軍は砂漠の只中で一滴の水さえない状態におかれてしまいます。
 
彼らの進むコースは秘密にされていたため、それを知る者は限られていることから、彼らは趙高の仕業だと気づきますが、今は目の前の状況にどう対処すべきかを考える時だと蒙恬は小川や龐将軍を諌めます。
一時的に撤退すればという小川ですが、おそらく退路は既に断たれているはずだと言う蒙恬。
 
水桶の見張りを担当していた田伍長ら5人が、自分たちの責任を果たせなかった責めを負って自害しようとしますが、そんな彼らを止める小川。
名誉ある死を願う彼らに小川は言います。
 
「名誉ある死を願うことは知っているのに、
 胸を張って生き抜くことは考えたこともないのか。
 ……
 一人ひとりの命はかけがえのないものだ。
 なぜお前たちはそんなに簡単に自分の命を断とうとする?
 いいか、今日お前たちが死んだとして、
 それでお前たちの罪を消し去ることができるのか?」
「ですが、生きていても罪を消し去ることはできません」
「よし。お前たちに2つの道を選ばせてやる。
 第1、自らの罪を背負って死ぬ。
 2つ目の道、お前たちの命をこの俺に預ける。
 俺が必ずお前たちの罪を消し去り、お前たちが失った名誉を取り戻させてやる。」
 
この言葉に、彼ら5人は小川に命を預けることを誓います。 
 
 
そんな中、敵が蒙家軍の陣近くまで様子をうかがいにやって来ます。
彼らは水を持たない蒙家軍が砂漠の暑さの中、弱っていくのを待っています。
水が手に入らなければ蒙家軍はこのまま壊滅してしまいます。
 
蒙恬は彼の弟子にあたる三川群守の李由に援軍を要請しますが、現状のままでは援軍の到着を待っている余裕はありません。
 
小川は1つの方法を思いつきますが、蒙恬は話を聞こうともしません。
小川が玉漱を諦め、蒙家軍に加わり、自分の後を継ぐと決意しない限りは、小川の話は一切、聞くつもりはない、と。
3万人の命を自分を追い詰めるためのカードに使うつもりかと怒る小川に蒙恬は言います。
 
「今、砂漠で苦難に遭遇しているのは蒙家軍全体の10分の1だ。
 この先、わたしがいなくなった後、30万の蒙家軍は烏合の衆となることだろう。
 そして大秦は大混乱に陥り、2000万人が塗炭の苦しみを味わうことにもなろう。
 そうなったら、もう何もかも手遅れになってしまうのだ。
 ……
 もしもお前がこの話を受けないのなら、
 目の前の3万人を救おうが救うまいが、何の違いがあろうか。
 ただその死が僅かに先になり、辛い時間を生きることになるだけのことだ。」
 

小川は玉漱への思いとの間で苦しみますが、苦しむ兵たちの姿を黙って見ていることはできず、ようやく蒙恬の言葉を受け入れ、蒙毅として蒙家軍を率いていくことを決意します。
 
早速、兵たちに小川こそが昔、行方不明になった弟の蒙毅であり、彼が今後、蒙家軍の指揮をとると高らかに宣言し、蒙毅こそが蒙家軍のために天が下されたものだと兵たちの士気を鼓舞する蒙恬。
 
蒙毅となった小川はまず空気中の水分を、夜気温が下がるのを利用して兜に集め、兵のために水を手に入れることに成功します。
蒙家軍の中で、確実に兵たちの信頼を勝ち取っていく小川。
兵たちの士気も高まり、小川の戦略により異民族との戦いに勝利します。
 
そんな頃、ようやく駆けつけた李由率いる援軍。
そのまま勝利の祝いの席に同席することになりますが、ここで蒙恬は李由に自分がもう長くないことを伝え、自分亡き後、蒙毅を助けてやって欲しいと頼みます。
医者を探す、自分に探せなければ父親に頼んででも、という李由を押しとどめる蒙恬。
李由の父親は宰相の李斯。
蒙恬の態度から、蒙恬暗殺に父親が関わっていることを感じ取る李由。
それでも彼は李由の家族より国を思う気持ちを信じ、彼に全てを話すことを決めたのでした。
そして大秦のために李斯は必要な人物だと考える蒙恬は、李由に咸陽に戻っても父親に問いただしてはいけない、そのことを知っていることさえ気づかれてはいけない、ただこっそりと蒙毅を助けてやってくれさえすればそれでいい、と諭します。
 
 
咸陽に凱旋した蒙家軍。
大喜びの始皇帝に蒙恬は今回の全ての功績は小川にあること、そして小川こそが実の弟・蒙毅であることを報告します。
蒙毅は蒙恬に代わり、全軍の指揮権を始皇帝から与えられることになります。
 
これで趙高と李斯の目下の敵は蒙毅ということになりました。
玉漱の存在も邪魔になりつつある趙高。
蒙毅と玉漱との関係を暴くことで、邪魔な2人を一気に片付けてしまおうとします。
 
そして、玉漱と小川が動画でメッセージをやりとりしていた小川の携帯が趙高の手に。
幸い、玉漱との別れを決意した小川の手によって、それまでの2人のやりとりは全て削除されていましたが、彼女に別れを告げる彼の映像がそこには記録されていました。
始皇帝の前に呼び出される玉漱と小川。
そして始皇帝に証拠として差し出される小川の携帯。
ところが、(ドラマですから / 笑)見事なタイミングで、携帯は電源切れに。
 
すかさず、それは鏡代わりに使っていたものだと始皇帝に答える玉漱。
それでも諦めない趙高は、証人として小月を呼び出します。
2人の関係を知っている小月ですが、ここで全てを話せば小川と玉漱がどうなるかは目に見えています。
でも、嘘をつけば、困ることになるのは実の兄とも思っている趙高。
板挟みになる小月ですが、結局、彼女は自分が小川のところに足を運んでいたのは自分が小川に会いたかったからだと説明します。
宮女である小月は外部の人間を愛することなどは許されておらず、だからこそ誰にも言えず隠していたのだと。
だから玉漱、小川、趙高の誰も罪に問わないように願い出ます。
 
結局、小月はこの罪により皇宮を追われることに。
このことで、一層小川を恨むことになる趙高でした。
 
小川に蒙家軍を預け、後に残す彼のためにできる限りのことをした上で、蒙恬はこの世を去りました。
 
 
確実に蒙家軍の兵たちの信頼を得ていく小川。
彼は自分が貰い受けた匈奴の女性・德香の言葉から、自分直属の特殊部隊「飛虎隊」を作ることを思いつきます。
そのリーダーの人を任されたのは、田伍長と德香。
そんな中、龐将軍と德香はお互いに少しずつ魅かれていきます。
 
その頃、朝廷では玉漱の故郷、圖安による始皇帝暗殺計画が進んでいました。
始皇帝を祝う宴席で2種類の毒を用いた毒殺を計画した彼らですが、毒の入ったお酒と食べ物を玉漱が口にしそうになったことで、その計画は失敗。
同時にその場に召し出され、音楽を奏でていた荊軻の友であり筑(楽器)の名手・高漸離が始皇帝に襲いかかったことで、宴席は大混乱に陥ります。
 
高漸離を信頼し、身近におきすぎたことで今回のようなことが起きたと感じた始皇帝は臣下のことも少しずつ信頼できなくなっていきます。
その始皇帝の猜疑心をチャンスとばかり、蒙毅に対する始皇帝の警戒心を煽る趙高。
タイミングよく北方からの匈奴の秦への侵攻が伝えられ、始皇帝は蒙毅を匈奴討伐に差し向けます。
 
そのためには兵を集めることが必要ですが、時間が足りません。
そこで、小川は一計を案じ、疑いが解けないまま宙ぶらりんになっていた舉賢堂のメンバーを兵として貰い受けたいと始皇帝に願い出て許されます。
蒙毅が不在の間に舉賢堂を壊滅させようと考えていた趙高たちでしたが、始皇帝の決定を翻すことはできませんでした。
 
匈奴との戦いに向かう蒙家軍。
ところが匈奴は德香にとって故郷。
その板挟みになって苦しむ彼女に小川は、彼女を自由にすると告げます。
そして龐将軍と共にどこか遠いところに行くように勧めます。
別れ難い2人でしたが、結局、德香は1人、仲間の元に戻っていきました。
 
 
その頃、朝廷では先日の宴席で使用された毒薬から、暗殺者が圖安と関連があることに趙高が気づいていました。
趙高の罠にはまり、玉漱の母親たちは秦にとらえられ、死を賜ることに。
そして計画については全く知らなかったことで、玉漱は命は助けられ、冷宮に送られることになってしまいます。
これでようやく邪魔な玉漱を排除することができた趙高。
 
 
匈奴と激戦を繰り広げる蒙家軍。
何があっても退く気配を見せない匈奴相手に犠牲者も増える一方であること、そして戦いが長期化すれば兵糧が豊富な匈奴に対して、蒙家軍は不利になりかねないことから小川は奇抜な作戦に出ます。
それがまさしく“トロイの木馬”。
馬じゃなく、蒙家軍のシンボルである虎でしたけど。
思わずMacのモニターの前で「それって、いいの?」とツッコミつつも笑ってしまいました。
 
かつてのトロイアのように敗れ去った匈奴。
戦いの中、匈奴の1人として辛い気持ちを抱えつつも最後まで蒙家軍と戦い抜いた德香も龐将軍の腕の中で最期を迎えました。
 
 
またしても大きな勝利を手に咸陽に凱旋する蒙家軍。
始皇帝は盛大な祝いの宴を開きますが、ここで趙高から玉漱が冷宮に送られたことを知った小川は始皇帝の眼前であることも忘れて激高し、趙高に掴みかかってしまいます。
 
 
趙高は、始皇帝に蒙毅が匈奴との勝利に傲り高ぶっており、始皇帝を侮っている、などと始皇帝の蒙毅に対する警戒心を煽ろうと画策。
 
玉漱のこと、そしてたびたびの戦いに心の底から疲れ切った小川は蒙恬の位牌に語りかけます。
自分が蒙恬の後を継げば、多くの命を救うことができる、その言葉を信じて、心から愛する女性も諦めた。
でも、実際には戦いで多くの人を死なせ、德香まで自分のために死なせてしまった。
自分のやっていることは人殺しなのか、それとも人助けなのか、どっちなんだ、と。
 
「蒙恬、肩にのしかかるこの責任は俺が最初に思っていた以上に、
 そしてあの時のあんたの言葉以上に重いものだった。
 申し訳ない。
 蒙毅というこの役割は俺にとって苦痛以外のなにものでもないんだ。
 本当にもうこれ以上は持ちこたえられそうにないよ。」
 
その後、舉賢堂に赴いた小川は、舉賢堂の仲間から盟主に祭り上げられます。
  
 
祝いの席の翌日の朝廷。
自らを暗殺しようとした圖安を攻め滅ぼそうとする始皇帝は、圖安対策を蒙毅と李由に任せようとしますが、蒙毅は病気を理由に朝廷に顔を出していませんでした。
昨日の今日で何が病気か、と ここでもやはり蒙毅を疑わせようとする趙高。
 
ですが、ここで李由が父・李斯と対立することをも厭わず、蒙毅をかばいます。
その李由に蒙毅を見舞うように命じる始皇帝。
その命に従って、蒙家にやって来た李由は、蒙毅を訪ねてきていた小月と出会い、彼女に一目惚れしてしまいます。
 
小月は小川の携帯を持参し、小川に玉漱へのメッセージを頼みます。
玉漱には彼女を支えてくれる何かが必要だ、彼女には小川が戻ってくることが必要なのだと。
蒙毅でいることに憔悴しきった小川の玉漱へのメッセージは、一言「帰ってきたよ」でした。
 
小川は見舞いにきてくれた李由から秦が圖安を攻めようとしていることを聞かされ、一層、蒙家軍を率いて戦うことはできないと感じます。
そして彼は李由の優れた人柄及び彼が蒙恬の弟子であり蒙家軍の一員であることから、彼に蒙家軍を託し、自らは退くことを決意します。
 
その李由、趙高に一目惚れした小月との結婚を正式に申し込みますが、小川を思い続ける小月にはその話を受ける気は全くありません。
李由からその理由を尋ねられた小月。
自分には愛する人がいる、それは蒙毅だと彼に告げますが、宰相と縁戚になれるのは願ってもないこと、この話を何としてでもまとめたい趙高は、小月の気持ちを無視して話を進めようとします。
趙高に部屋に閉じこめられた小月は、自殺を図ってしまいます。
その姿を見て、趙高はこの話を諦めることに。
 
ちょうどその頃、始皇帝は陵墓の建設を進めていましたが、さまざまな理由で建設が滞っていました。
陵墓の建設を任せることができる人材を探している始皇帝に趙高が囁きかけます。
「蒙毅にお任せになられては」と。
それによって彼の軍への指揮権も取り上げることができるし、朝廷からも遠ざけることができる、というわけです。
そして蒙毅の後任には李由を充てるとする勅書が出されます。
 
こうして蒙毅は蒙家の旗とともに蒙家軍を去り、陵墓の建設に携わることになります。
 
 
そこで、彼は陵墓には始皇帝に殉じ、死後の始皇帝と陵墓を守るために数千人もの精鋭の兵士と馬などが埋められることになっていることを知ります。
無駄に失われることになる数千の命。
 
精鋭となると、蒙家軍からも必ず殉死者が出るはず。
それを避けるために、彼は兵馬俑を作ることを始皇帝に願い出ます。
その案に大喜びの始皇帝。
小川は兵馬俑の制作に取り掛かります。
 
どこへ行っても結果を残す小川に業を煮やす趙高。
 
そんな時、圖安が挙兵します。
圖安には李由を派遣することを決める始皇帝ですが、ここで趙高が玉漱のことを持ち出します。
李斯の進言により、敵国の人間である玉漱は民と一緒に働かされることになりました。
 
趙高がその彼女を送り込んだのが陵墓の建設現場。
目の前で愛する玉漱が自由を奪われ、厳しい労働に従事させられるのをどうすることもできない小川。
趙高は小川をこんなふうに責め苛むために彼女を彼の下に送り込んだのでした。
 
工期が予定通りに進まないと、その責任を問われることになる小川。
そのために趙高が人を使い、水に毒を混入させたため、現場では病人が続出し、作業が滞り始めます。
その同じ病に玉漱も冒されてしまいます。
 
ちょうどその時に表れたのが崔文子。
彼は水に毒が混入されていることにすぐに気づき、またしても小川の窮地を救ってくれました。
 
工事は順調に進むようになったのですが、小川はまだもうひとつ、大きな問題を抱えていました。
始皇帝は、何年も前に隕石がもたらした天星という石を使って地下の陵墓の中に “天宮” を作ろうとしていました。
この天星を真北と真南に向けて設置すると、周囲のものが全て浮き上がると言われているのだそう。
つまり、この天星によって陵墓の天宮の中のものも天界のように全てがフワフワと浮き上がるはずだと。
そうすれば、始皇帝は神仙のように生活することができる、というわけです。
 
 
この始皇帝の希望を実現するための方法が見つからず、困っていた小川は老崔に何かいい案はないかと訊ねます。
そんな小川を老崔が連れてきたのが陵墓に非常に近い山の中の洞窟でした。
 
ここに住む北岩山人は老崔の古い友人で、老崔は彼に天宮のことを話したことがあると言います。
彼なら助けになってくれるのでは、ということで小川を連れてきたわけですが、北岩山人の姿はありませんでした。
ですが、そこには天宮の設計図が残されていました。

小川を助けて、老崔は自分を必要とするところがあるからと、また去って行きます。
兵馬俑は完成しました。
そこへ届いた始皇帝からの密書には、陵墓が完成した暁には、その秘密を守るために工事に携わった者全員を地下の陵墓に閉じ込め殉死させるようにと書かれていました。
彼らを助けるため、地下陵墓からの抜け道を作り始める小川。
 
この頃から、始皇帝の体調は思わしくなく、不老長寿の霊薬を一刻も早く手にしたいと願うようになります。
 
そんな頃、圖安の金将軍が趙高を殺害するためにやって来ます。
その後は始皇帝をも殺害するという金将軍ですが、始皇帝が死ねば玉漱は殉死させられる、自分だけが彼女を無事に金将軍のところに連れ戻せることができるのだと、趙高に言いくるめられてしまいます。
趙高は金将軍から、始皇帝の命を奪うために、痕跡を残さずに人を殺すことができる毒薬を手に入れます。
その毒を少しずつ始皇帝に盛る趙高。
既に胡亥を手なずけている趙高としては、そろそろ始皇帝の存在は邪魔になり始めていました。
 
玉漱は始皇帝からまた皇宮に戻るよう命じられ、陵墓の建築現場を去ります。
趙高の毒により、少しずつ弱っていく始皇帝。
そんな時に不老長寿の霊薬が見つかったという報告が届きます。
始皇帝は、その霊薬を受け取るために蒙毅を派遣しようとします。
まだ陵墓の抜け道は完成しておらず、蒙毅は陵墓建設に関わった人足たちを救うことができませんでした。
 
 
東海で見つかったという不老長寿の霊薬。
この薬を何が何でも一刻も早く手に入れたい始皇帝は、自ら巡幸することを決定します。
その一向の後を金将軍も追います。
 
体調が悪化の一途を辿る始皇帝は趙高、李斯、そして蒙毅の3人に3つの要件を託そうとするのですが、小川は霊薬を受け取りに行き、戻っていなかったため、趙高と李斯の2人がその要件を聞くことになります。

まず1つ目は扶蘇を皇太子に据え、蒙毅を含めた3人で彼を補佐すること。
そしてそれを記した勅旨を扶蘇に至急送り届けるよう命じます。
2つ目は、自分の死後、彼が愛した全てのもの、そして子どものいない後宮の女性たちを自分とともに陵墓に埋めるように。
麗妃、つまり玉漱については特に必ずそうするようにと。
最後の1つは、何があっても不老長寿の霊薬を見つけるように。
 
趙高は近くに待機していた金将軍に密書を送り、扶蘇への使者を襲わせ勅旨を奪い取りました。
 
 
不老長寿の霊薬を調合したのは他ならぬ老崔でした。
舉賢堂の仲間たちが小川のところに霊薬を持って急ぎます。
しかし、趙高から連絡を受けた金将軍たちが途中で彼らを襲撃。
その報を受けた小川は李由に始皇帝に急を告げるように指示し、仲間を助けに急行します。
始皇帝に報告した李由もすぐに現場に急行しますが舉賢堂の多くの者は既に倒れ、このままでは全滅という状況に置かれてしまいます。
小川は李由に霊薬を託し、後は自分が守るから、始皇帝のところに向かえと命じます。
「行くなら共に」という李由に「早く行け!」と言う小川。
 
「お前が行かなければ、ここに倒れている兄弟たちの死が無駄になるんだ!
 行け!
 李将軍、薬を届けてくれ。
 これが俺がお前に下す最後の命令だ。」
 
 
金将軍がかつての友が命がけで戦う姿を見つめる中、小川はどれほど傷を負っても決して倒れません。
酷い手傷を負ってもそれでも尚、ひとり戦い続ける小川に弓を向ける金将軍。
「公主のためだ。許してくれ、小川。」
公主のため、そう言いながら金将軍の放った矢は小川の胸を貫き、小川は立ち尽くしたまま壮絶な最期を迎えます。
 
それを馬上から見つめつつ、始皇帝の下に急ぐ李由。
李由は殺さないように、との指示があったため、金将軍も彼には手を出しませんでした。
 
 
李由は霊薬を始皇帝に届けます。
自分以外は蒙毅も含め全滅であると伝え、李由は始皇帝の眼前で倒れ、気を失ってしまいます。
3粒の霊薬は趙高の手に。
差し出された霊薬に手を伸ばす始皇帝ですが、万が一を怖れて飲むことができません。
趙高に毒味を命じますが、趙高も躊躇っている時に玉漱が自分が飲むと言い出します。
 
勿論、これは正真正銘の霊薬。
薬を飲み下した玉漱に何の問題も起きないのを見て、趙高は始皇帝に薬を渡さず、自らがそれを飲んでしまいます。
そして始皇帝は霊薬を目の前に、それを飲むこともできずそのまま亡くなってしまいました。
 
 
権力を握った趙高は、扶蘇を始皇帝の偽の詔書により自殺させ、胡亥を二世皇帝の座につけます。
遊び好きで皇帝の自覚もない胡亥は趙高の言いなりで、朝廷は大きく荒れることになります。
 
趙高は、自分と対立する大臣に「馬」だと称して「鹿」を送ります。
胡亥は「鹿に見えるけど……」と言いますが、趙高は「馬」だと言い張り、居並ぶ大臣たちに「これは馬か、それとも鹿か」と、いずれかを選ぶよう迫ります。
多くの者は趙高の権力を怖れ「馬」だとしますが、数人は「鹿」だと譲りませんでした。
趙高はまたしても金将軍を玉漱のためだと唆し、「鹿」だと言い張った者たち全員の命を奪いました。
 
ちなみに、これが「馬鹿」という言葉の語源だと言われています。
 
 
そして最後に、趙高は邪魔な金将軍を罠にかけ、彼を捕えてしまいます。
取り調べに当たる李由は金将軍に、彼が秦の重臣たちを次々と殺害した理由を問います。
「圖安のためか?」と言う李由に「全ては趙高に仕組まれたのだ」と言い張る金将軍。
ところが、今回のことを受けて、既に秦は圖安に兵を送り、圖安は徹底的に滅ぼされてしまっていました。
 
 
と、李由が金将軍を取り調べているところで、40話が終了。

 
 
 
ここでは、とにかく蒙恬の死に涙・涙。
 

 
最期のその時まで、偉大な武人という姿を見せ続けてくれました。 
小川が背負いきれなかったほど重い重い責任をその肩に担い続け、平気な顔でその責任を果たし続けた強さが本当に魅力的で。
偉大すぎる男ですね。
史実と違い、蒙恬に満足できる最期を迎えさせてくれたことに感謝したいくらいです。
小川がやって来たことで、歴史が少しずつ変わった部分があるということなのでしょうか。
炎がふっとかき消えるという演出も、蒙恬の最期の描写にはピッタリだったと思います。
 
 
それから蒙毅の最期。


 
小川も、玉漱を諦めて蒙毅となってからは、本来の魅力が現れて、とても素敵でした。
ただ、蒙恬の望みを果たしきれなかったことは残念ですが……。
でも、現代に生きてきた小川、当初は人を手にかけることにあれほどの抵抗を感じていた小川が兵を率い、自らも先頭に立って戦うということは、大きな負担だったはず。
多くの人を救うことにつながるという蒙恬の言葉だけが支えだったのかもしれません。
その中で、その言葉が信じられなくなれば、重すぎる責任を背負い続けろと言うほうが酷でしょうね。
 
水を失ったことで自死を選ぼうとした田伍長らを諭した言葉こそが小川の信念なのだろうな、と思います。
何があっても生き抜くこと、その姿勢が最終的な勝利を手にすることは劉邦の姿を見ても明らか。
でも、蒙恬や項羽、李由らの武人としての潔さに魅かれてしまうのも事実。
 
真っ直ぐな人柄なのは金将軍も同じ。
そんな彼を思うように操るなんていうのは趙高には朝飯前なのでしょうが、金将軍がとても可哀想に思えました。
 
 
勿論、まだ10話も残っているところで主役が死ぬはずもなく(^^ゞ、この先、まだまだ小川には辛い経験が待ち受けています。
 
 
ついでに一言。
始皇帝の死の直前の玉漱の冷たさにちょっとビックリ。
気持ちはわからなくもないんですが、でも怖い……。
 
 
と、こんなところまでお読みいただいて、ありがとうございましたm(__)m。
 
もう少し短くまとめたい……(溜息)。

『神話』31〜40話」への2件のフィードバック

  1. こんにちは!

    この頃の小川(蒙毅)はかっこよかったですよね~ ^^
    そしてやはりなんといっても『蒙恬』ですよね!
    小川が最後まで冷たかったのはちょっと悲しかったです・・・
    もう少し。。。

    このお話の男性は、かなり惚れっぽくないですか(笑)?
    そんな簡単に一目ぼれするもの(笑)?と思わずツッコみたくなりました(笑)

    >何があっても生き抜くこと、その姿勢が最終的な勝利を手にすることは劉邦の姿を見ても明らか。
    >でも、蒙恬や項羽、李由らの武人としての潔さに魅かれてしまうのも事実。

    そうなんですよね~。
    物語の登場人物として惹かれるのはやはり、『武人としての潔さ』なんですよね~
    でも、勝利を手にするとなるといろんな意味で「性格的に器用な人」なんですよね。

    >炎がふっとかき消えるという演出も、蒙恬の最期の描写にはピッタリだったと思います。

    ですね!
    あの場面はすごいよかったです。(なくなる瞬間をよかったと言うのもちょっとあれですが・・・)
    蒙恬らしい最後かなと思います。

    >始皇帝の死の直前の玉漱の冷たさにちょっとビックリ。
    >気持ちはわからなくもないんですが、でも怖い……。

    ですよね(笑)
    あの時にあれだけできるのであれば、「なぜもっと早くそうしない!」とも思っちゃいました(笑)

    >ここに住む北岩山人は老崔の古い友人で、老崔は彼に天宮のことを話したことがあると言います。
    >彼なら助けになってくれるのでは、ということで小川を連れてきたわけですが、北岩山人の姿はありませんでした。
    >ですが、そこには天宮の設計図が残されていました。

    この部分、なんだか???だらけでした。(^^ゞ
    展開が突拍子も無いと言うか、中文読解が難しかったです。
    やはり『北岩山人 = 老崔』なのでしょうか?
    箱(小川達がタイムスリップした原因の箱)も、何の目的でいつ、誰が作ったのかも不明です・・・

    追伸:
     私のコメントも長くなっちゃいました(汗)。すみません~

    • ちろさん、こんばんは!

      長〜いコメント、大歓迎です!!
      楽しく拝見させていただいています。

      私にとって、なぜだかとても語りたくなるドラマなんです、これ(^^ゞ。

      >この頃の小川(蒙毅)はかっこよかったですよね~ ^^
      ですね〜。
      蒙毅の小川は頭も切れて、リーダーシップもあって、蒙恬と同様、この人のためなら!と思わせてくれる魅力溢れるリーダーでしたよね。
      でも、やっぱり蒙恬に対する態度はもう少し何とかならないかと思いますね (^^ゞ。
      蒙恬は、あんなに小川が好きだったのに(笑)。

      >このお話の男性は、かなり惚れっぽくないですか(笑)?
      これも確かに。
      項羽と李由はそっくりでしたよね(笑)。
      その後の積極的なところまでそっくり。
      豪傑タイプはあんななのでしょうか???(笑)

      蒙恬や龐将軍もですし、本当に惚れっぽいですよね。

      >物語の登場人物として惹かれるのはやはり、『武人としての潔さ』なんですよね~
      そうなんですよね。
      特に、現代的な価値観と相容れないものだからこそ、一層、魅力を感じるのかな、なんて思ったりもします。
      劉邦は現代的なんですよね、頭も良いんだろうし……。
      でも、それが嫌……(笑)

      蒙恬の最期の場面、あの演出は蒙恬の最期に相応しく、とても印象深いシーンでしたよね〜。
      史実における蒙恬の最期は悲しすぎるので、蒙恬のことを好きになるにつれ、最期のシーンがどう描かれるのかが心配になっていたのですが、ドラマの最期には感動しました。
      勿論、悲しかったんですけど(^^ゞ。

      玉漱
      >「なぜもっと早くそうしない!」とも思っちゃいました(笑)
      ですよね〜。
      強大な権力を持っていた時には何もせず、ひどく弱った途端、その仕打ちなの?、などとちょっと思ってしまいました。
      国のために秦に赴いたところまでの彼女は公主らしくて素敵でしたが、その後の彼女はどうも身勝手な女性に思えてしまって、今ひとつ好きになれなかったです。

      そして北岩山人。
      >この部分、なんだか???だらけでした。(^^ゞ
      ですね。
      この人の存在が一番の謎ですよね。
      残された謎について、それなりに整合性のある答えを出そうとすると、私は「北岩山人=易小川」なのかな、と思うんですよね。
      で、例の箱を作ったのは隱士高人で、すなわち北岩山人で、結局小川本人なのかな、と。

      そうすれば、今、目の前にある謎には説明がつくような気がします。
      ただ、そうなると、歳を取った小川がもう一度、過去に戻る必要が出てくるわけで、それが可能なのかどうか、そしてそれが可能であるとしたなら、もっと他の対応策を老小川は考えることができたのではないか、などと新たな謎が登場してくるわけですが (..;) 。

      いわゆる「鶏が先か、卵が先か」状態でタイムスリップものが必ず陥る問題点ですね。
      SFも好きなので、この手のお話は結構読んだものですが、いつも悩んでしまうところです。

      ご返事がまた一層長くなってしまいました(^^ゞ。
      それでも語りたいことがまだあるという……、なんというドラマなんでしょう(^^;)。

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